ソリッドソニック株式会社 代表取締役
久保貴弘

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先代の想いを背負ったものが4年かかって自分の想いになりました

大手企業で働くが故のジレンマ

久保さんは北海道ご出身で2002年にPanasonicに入社後、18年間勤務。その間に「調達」と「戦略コンサル」というお仕事をされていました。18年間で引っ越しを14回もされ、「調達」時代には日本や世界中を飛び回ったり駐在をされながら視野を広げられ、2013年に「戦略コンサル」に移られてからは意思決定論に基づいてパナソニックグループの経営者(子会社・関連会社)へのコンサルティングを行われていました。
現場での長年の経験と、経営のプロを指導する立場という全く別分野で活躍してこられたのです。

そんな中「経営者に対して経営コンサルを行う」という立場上、ご自身で経営を行ってみたいという思いが大きくなってこられたのが36才の頃。しかし大企業であるが故にこのまま会社員として続けて高みに上るのは難しいことに思い悩んでおられたころに社会問題として大きく取り上げられていたのが「事業承継問題」でした。

社会課題に立ち向かう

日本には約380万社の企業があり、年々70歳以上の経営者が増加しておりそのうち半数の企業が後継者が決まっていないという状況だそうです。久保さんはそこに着目し、社会問題解決としてM&Aを行うことを決意されました。
そこから15社と面談し、ついに運命の会社と出会うことになります。

ソニックソリッド 田中氏との出会い

面談を行った15社の中から久保さんが選んだのが「ソリッドソニック合同会社」広告業を営むかたわら、私財をつぎ込んで骨伝導イヤホンの開発を行っておられた先代の田中ご夫妻とのお話の中で、

全く聞こえなかった人にデモ機を使ってもらったら「音が聞こえた」「人の声が聞こえた」と涙を流して喜んで下さる方が多数おられ、この事業をやめるにやめられなくなったんです。

という思いをお聞きになり、自分はこのお二人の気持ちごと会社を継承したい、と事業承継を決められたそうです。

事業承継から4年

大きな想いごと承継して4年。これまで決して順調に進んでこられたわけではありませんでした。多額の資金を投入した事業がうまくいかず、どん底まで落ちたこともありました。それでもこの事業を続けてこられたのは先代の想いを引き継いだのち、久保さん自身も多くの難聴の方々とお会いする機会がどんどん増え、その方々の苦境を目の当たりにしているうちに、引き継いだ想いが久保さんの真の想いへと変化してをいかれたからこそではないでしょうか。

現在は『聞こえが不自由なことがハンディではなく、自分の特徴だと思える社会』​​​​​​​を実現する、という社会的意義の高いミッションを掲げ日々奔走しておられます。

ソリッドソニックのビジョン

ソリッドソニックの骨伝導テクノロジーとは

音とは音源が起こした空気の振動です。その振動をうまくとらえられない難聴状態の方が空気振動にたよらずに、音源で発生した振動を人体の皮膚や骨などに伝えて直接内耳に到達させるテクノロジーをつかってエネルギーをしっかり受け止めることができる『耳穴に振動子を装着する』 方式の骨伝導イヤホンです。
ソリッドソニックの核である「圧入方式骨伝導特許」技術を注ぎ込んだ『Vibone』シリーズは、圧電セラミックスを用いた骨伝導振動子と耳穴における保持構造を特徴としているため、他の骨伝導イヤホンを圧倒する集音性能を可能にしました。

Q 開発はどんな形で進めておられますか?

開発には2つがあってR&Dという要素技術の研究開発と、実際に形にしていく商品開発というのがあります。

R&Dでは神戸高専さんから是非に、とお声がけをいただき生徒さんと一緒に教育の一環として開発を行っています。ソリッドソニックはマネジメントで入っていて、開発は教授と生徒さん達が行ってくれています。その他にも立命館大学さんと鳥取大学さんとも提携いただいています。産学連携としてうまくいっていると思います。

商品開発は横浜にある電子機器の開発会社と一緒にやらせていただいていて、こちらもソリッドソニックはマネジメント、もの作りは開発会社で、という形で行っています。と言っても電子機器は、この小さいものに必要な部品1,400点ををすべて落とし込んでいかないといけないので、毎日毎日細かい問い合わせが来るんです。マネジメントでかなりの労力をかけて押さえていっています。

最近ではSONYさんからお声がけをいただき、共同研究も行っています。

Q ソニックソリッドが社内で行っている重要な役割とは何ですか?

  • 特許を持っていること
  • R&Dと商品開発のマネジメントを行う
  • 販売プロデュース、顧客とのコネクションを押さえる

というところでしょうか。社内には大阪に私と、東京に社員1人とパートがいるだけなんですが、今のところネットでの販売しかしてこなかったんです。
2024年1月から発売する商品からはこれまでに作ってきたコネクションなどを使って一気に販路を広げていきたいと考えています。

Q 2号機まではネットのみでの販売という事でしたが、どのような形での購入が多いですか?

難聴の方で私たちの商品に共感してくださったインフルエンサーの方がおられて、その方がいろんなところで紹介してくださっているんです。そこからうちのサイトに訪問頂いて購入される、という流れが出来ていて、営業活動は一切していないんです。

難聴うさぎさんのYouTube

お問い合わせ頂いた方にレンタルして差し上げて、良かったら購入いただくという形で販売していたんですが、2022年秋から発売した前商品の「Vibone nezu HYPER」は2023年の8月には在庫がなくなってしまうほどの売れ行きでした。
開発を進めていた3号機の『Vibone nezu Ver3.0』は、2024年1月からクラウドファンディングで発売します。それまではしばらく準備状態ですが12月には情報をオープンにしていきますので楽しみにして頂きたいです。

Q 気になる3号機『Vibone nezu Ver3.0』とは

『Vibone nezu Ver3.0』はこれまでのペンダント型とは異なり、スタイリッシュな首掛けイヤホン型としました。技術的にも雑音の軽減や集音性能向上も実現しています。
クラウドファンディングサイトkibidangoの種にて詳細がアップされましたのでご覧頂ければと思います。全国主要都市で試聴体験会を開催いたしますので、ご興味のある方はぜひお申込み下さい。

まだまだ続くソリッドソニックの挑戦

試聴されたお客様から「動物用の集音器はないの?」や、騒音環境で働く方から「騒音難聴を予防できる商品はないですか?」など現在難聴の悩みを持っている人ではない方(動物)にもニーズがあるという事が分かってきました。また、高齢者施設での使用、宇宙空間での可能性などまだまだ必要とされる分野があると考えています。そんな分野にもどんどん参入していき、聞こえの全ての問題解決へと展開していきたいと思います。


ソリッドソニック株式会社 代表取締役 久保貴弘さん、ありがとうございました!

名称:ソリッドソニック株式会社
業種:ソリッドソニック音響機器の研究、開発、設計、コンサルティング
   ソリッドソニック音響システムの研究、開発、設計、コンサルティング
住所:〒651-0086 兵庫県神戸市中央区磯上通6-1-17 ウェンブレービル7階
お問合せ: 問合せフォーム より
HP:https://solidsonic.co.jp/

定休日 土曜日、日曜日、祝日

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