クリーニングハウス ムー
高見明美
昨日も今日も変わらない、譲れない私の道
一つ一つの何気ない動作が、お客様の幸せを願う祈りであり、ふと気が付けば「ありがたい・・・ ありがたい ・・・」と呟いている、そんな一日がおくれる自分になりたいと思う。
「クリーニングハウス ムー」さんは 兵庫県加西市、フラワーセンターの近くにあります。
真っ青な空のもと、モダンなデザインの建物がそのお店。ですが建物の印象とちょっと違う高見さんのクリーニングは、全品こだわりの水ととうもろこし糊を使った手洗い、まさに『手仕事』なのです。脱ドライクリーニングに挑み研究し続けた究極の自然派クリーニングのみを行うお店として唯一無二の存在です。
そして、このお店に全国各地から洗濯物が届く理由があります。
高見さんはクリーニング店を営むご両親のもとで生まれ育ち、アイロンをかけているお父さんの横で遊んでいたそうです。ドライクリーニングが当たり前の世の中、疑問を持つこともなく育たれました。その後ご両親は廃業、高見さんもクリーニングから離れた生活を送ることとなりますが、今度は高見さん自身が新たにクリーニング店を営むことになりました。
子供のころから慣れ親しんだドライクリーニングを一から勉強し開店されましたが、ある日『世界的に、脱ドライクリーニングが叫ばれている』という一文を見て衝撃を受け、「食材とせっけんを使った全品水洗いのクリーニング」を始められ化学物質ゼロを目指して6年間、研究開発に取り組まれたそうです。
『住』の建築ではシックハウス症候群や電磁波による体の不調が問題となり、『衣』では化学物質過敏症や香害が蔓延しています。私たち四方継の仕事とも密接につながっているとも言える高見さんのお仕事や取り組みについてお伺いしてみましょう。
インタビュー
Q.化学物質過敏症などでお困りの方が増えていると聞きます。そんな皆様へのメッセージやアドバイスはありますか?
クリーニングハウス ムーには遠方から来られる方や、宅配で送ってきていただく方に多いですね。その中で、遠方からお嬢さんのお洋服を持ってこられたお父様がおられました。洗濯してお返ししたところお嬢さまから「ムーさんで洗ってもらったものだけ気持ちよく着れる」というお言葉をいただきました。詳しく聞くとお嬢様は生まれつきのアトピーで「服というものは不快なものだ、チクチクして眠れないものだ」と思っていたけれど、ムーで洗ったものを着て、そうじゃないんだ、と気が付かれたそうです。アトピーなどの疾患をお持ちの子供さんたちは、不快なことを普通だと思っているために訴える術も知らないという事にショックを受けました。
小さなお子様をお持ちのお母様方にお伝えしたい事、合成洗剤や化学薬品というものが衣服についた場合、それが体に影響を及ぼし、皮膚の弱いお子さんはそれが原因で苦しんでいるという事に気が付いていただきたいと思います。
Q.クリーニング以外に自然環境に配慮していること、取り組んでいることはなんですか?
環境問題に関して、取り組むべきことは沢山あると思います。しかし、無理をせずに自分ができる事から取り組んでいけばいいと思っています。私に何をさせて頂けるのだろうと考えた時に、仕事でも普段の生活においても洗剤を止める事でした。家庭から流れ出る洗剤(特に合成洗剤など)が川にいる微生物を殺し、自然の浄化作用が無くなり、水が汚染されていきます。水を汚してから浄化するのではなく、そもそも最初から水を汚さないことが大切です。下水処理の浄化装置にも限界があります。川の水が汚染されると魚が病気になります。その川の水をくみ上げて飲んでいる私たちもまた病気になってしまいます。安心安全・全品水洗い衣類のクリーニングに取り組むようになって気づいたことは、環境問題と私たちの健康問題は密接に関わりあっているという事でした。日々の何気ない洗濯という行為を通して自然界にも目を向けていただきたいと思います。
Q.2018年から始められた『寺子屋 無有』の活動について教えて下さい。
『寺子屋 無有』 は皆さんに集っていただいて「学ぶ」という事を通して楽しんでいただきたいというのをテーマに開催しています。 皆さんに集っていただいて楽しみながら、ほっこりとした時間を過ごしていただけるスペースを作りたいと思ってオープンしました。無農薬のおいしいお茶などをご用意しておりますので、是非皆さんにお越しいただけたらと思います。
心がハレになる筆文字アート
ひよりふで
Q.これから目指すところはどこですか?
何気ない動作の一つ一つが祈りである。そんな一日が送れるようになれたらいいなと思います。
祈りには、座って手を合わせ祈る静の祈りと、日々の一つ一つの動作に祈りを込める動の祈りがあると言われます。私は、体が動く限りは、動の祈りでありたいと考えています。 おにぎりを握るときも糠漬けをつける時も、ワイシャツの襟をブラシで擦るときもアイロンがけをする時も「元気になってね」と、祈りを込める。まだまだ、ほど遠い私ですが、そこを目指し心がけることが大切ではないかと感じています。そして、いつも「ありがたい・・・ありがたい・・・」と、気が付けば自然と呟いている、そんな可愛いおばあちゃんになりたいです。それが私の夢です。
優しい口調、柔らかい物腰。
しかし信念を貫く強さが芯に通っている、そんな迫力を感じたインタビューでした。人間を愛しているからこその選択、日本の母は強いのです。
名 称 : クリーニングハウス ムー
(せんたく工房 無有)
業 種 : クリーニング
住 所 : 〒675-2445
兵庫県加西市殿原町373−2
営業時間 : AM9:00〜PM6:00
定休日 : 日・祝日(4月〜6月)/水・日・祝日(7月〜3月)
TEL : 0790-44-2616
URL : クリーニングハウス ムー http://www.cleaning-house-mu.jp/index.html
せんたく工房 無有 http://www.cleaning-house-mu.jp/index2.html
※ 会員制につき、まずはお電話をお願いします。