アオラニガーデン神出
南 高広・山本 磨美

早期退職「熟年就農10年計画」

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様々な道を経てここにいる

南さんは、電気系エンジニア(電気メーカーでシステムのインターフェース担当)から転職(早期退職)だそうです。

山本さんは神奈川県出身。東京でメーカーのCS、ソフトハウスの技術営業を経て阪神大震災の翌年に神戸に移住。メーカーのシステム管理、NPO法人理事などの職務についていたそうです。
縁あって就農の道を選ばれたお2人は「楽農生活センター」の楽農学校・就農コースに通い、厳しくもやり甲斐のある農業の基礎を学ぶところから始められました。
有機農業については楽農学校卒業後に改めて学び、現在の農業スタイルの基礎になっているそうです。

現在、南さんは農園の整備などの力仕事中心、山本さんはブルーベリーの栽培管理(病害虫の知識、剪定等)、農園全般の企画・連絡調整、インスタグラムでの情報発信などを行われています。

アオラニガーデンを見下ろす

アオラニガーデンのメインはブルーベリーですが、上の写真でブルーベリー(作業中)と記載されている場所で栽培しています。
ブルーベリーエリアは防鳥ネットを単管で構成していますが、支柱以外に地中部分にも配管されており、それらを連結することによりコンクリート基礎と同等程度の効果を期待しています。

メイン以外の果樹は、上の写真でハウス1(果樹)と記載されている場所で栽培しています。ハウス1は43mありますが、近傍のイチゴ農家さんで不要になったハウスを撤去、再塗装、再設置したものです。

農業を始めるに際して、初めの5年間で農業の方向性(ベクトル)を決め、次の5年で黒字化を目指すという10年計画で進めてきました。現在7年を過ぎたところです。
若い方が始める体力ありきの農業と違って、こんなやり方もあるのだと感嘆しましたが、思うようには行かないようです。

今のところ害獣はアライグマとカラスが多いのですが、アライグマはなかなか賢くてスイカなどは中身の美味しい部分だけを食い散らかしていきます。

周りではイノシシが出だしていて、来年には対策が必要ではないかと考えておられるようです。

今回は見せて頂く時間がなかったのですが、果樹や野菜の他、ハーブ類も和ハッカを中心に栽培品種を増やしているそうです。今以上に広がって行くといいですね。

教えて頂きたい事がたくさん

Q ブルーベリーなど商品の販売ルートはどんなところですか?

神戸市内の個人店さんが多いです。一般の個人客の方も。
インスタグラムを見て、と直接購入に来てくださる方もいらっしゃいます。

実際に見て、触れて、口にして納得して購入して下さる方が多いので、密に連絡を取り合っています。
納めた食材がどのように使っていただけるのかも、毎回とても楽しみです。
とあるお店でお出しいただいた和ハッカとチョコレートのムースは絶品でした!

神戸では、花隈のショコラティエの「JHOICE」さんはじめ、色々なお店で使っていただいています。最近では神戸以外の兵庫県内にも使っていただけるお店が増えつつあり、大変うれしく思っています。

Q ブルーベリーの季節以外はどんなものが収穫できますか?

他の農家で栽培していないような柑橘(璃の香・スイートレモネード・なるとオレンジ・タヒチライム・ベルガモット・フィンガーライム、じゃばら、他)を少量多品種で栽培していますが、年々少しずつ収量も増えています。
果樹エリアでは、梅(南高・露茜)・栗(ぽろたん・ぽろすけ)・りんご(紅玉・アルプス乙女)、柿(富有柿・蜂屋)他。
露地では、落花生(おおまさり)、サツマイモ(ハロウィンスイート・ふくむらさき)、しょうが(金時生姜)等々。
自分たちも口にするものなので、すべて有機肥料を使い、有機JAS適合の農薬以外は極力使用しないで大切に栽培しています。
メインは果樹栽培ですが、それには理由があります。

1.単価が高く、収穫が露地に比べて容易
2.自分たちが食べたい果樹を栽培できる
3.少量多品種でリクエストにも答えられる

ベルガモット

というのが根本にあります。自分たちで安全で美味しいものを作ろうという考えですね。

Q 今後はどのように計画が進んでいきますか?

これからは加工にも力を入れていきたいと思っています。
和ハッカのハーブティー(商品名:神戸和薄荷)シリーズはすでに商品化していますが、それをベースに自農園の他のハーブとのブレンドティーや、ハーブシロップ、ブルーベリーや柑橘のジャムやドライフルーツ。焼き菓子も作りたいです。

和ハッカを使った「神戸和薄荷」はびっくりするほどの清涼感!

Q 「農業」を始めたことで苦労されたことは?

農園経営の基本方針として原則借金をしないことにしています。
新規就農時は売り上げが期待できないので、キャッシュアウトを極力抑え、収支のバランスをとろうとしましたが、どうしても資金不足に陥ってしましました。
そのためアルバイトをして現金収入を確保する必要がありましたが、アルバイトをしている時間は農業ができないジレンマになり、その結果、ハウスの完成までに3年、ブルーベリーの圃場整備に5年ほどかかってしまいました。
その間、モチベーションを維持することが最大の問題点でした。

Q 「農業」を始めたことで得たものは

農業というのは、お互いにライバルかと思いきや横のつながりが結構強く、ノウハウを教えあうことがよくあります。
楽農学校のOB同士で情報交換したり、知り合い同士がつながっていたということもよくあるので、皆が輪になっていくように感じています。農業という仕事を選んで人生が豊かになり、とても幸せです。

果樹・野菜ともに、地域の直販所でも販売しているそうです。
近隣のマルシェにも出店することがあり、そこで出店者同士のつながりが出来て新たな世界がひろがることもあるそうです。

と、いうお話を聞きながら美味しいハーブティーをいただき、皆さんが居心地がいい、という状況に私もはまっていました。。。
可愛いカノアくんとルアナちゃん、お騒がせしてごめんね。

アオラニガーデン 南高広さん、山本磨美さん、ありがとうございました!

名称:アオラニガーデン神出
業種:農業
住所:〒651-2304 神戸市西区神出町小束野41-20
Mail:inq@aolani-garden.com
インスタグラム:aolani_garden.kande

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農園の様子はインスタグラムで発信中ですので、是非フォローしてください。

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